ハンドメイドルアー [BRIGHT'N LURES] ブライトンルアーズ
2010 GO-OFF Get's Handmade Lures


ハードウッド素材という新たな取り組み・・・ Get's Handmade Lures  2002年・・・

Get'sとしてのひとつの転機は、今まで培ってきたバルサ材からハードウッドへと素材そのものを変更したこの2002年と言える。
 ウェイトバランスなどを全て根本から見直す必要があったが、ハードウッド特有の「水に絡む」アクションと新たな造形表現への意欲が魅力的な作品群を生み出させた。
 顔周りの造形やウロコを表現するアルミの使い方などが大きく変化したのもこの時期。

 試作的なモデルも多く、現在となってはGet'sファン垂涎の的となっている。
SWC65
【SWC65】 ヒノキ製 65mm/9g 2002年
ヒノキ材を使用した小型のシャロークランクベイト。
 腹部割り込み方式のラインアイとベリーフックアイ、ウェイトバランサーを兼ねたリアのフックアイにはヒートンを使用するなど、試行錯誤の跡が見られる。
 フラットサイド形状、スクエアリップの構成は後のシルバーチップの原型となったことは言うまでも無く、川畑自身にも新たな爆釣パターンをもたらした。

DWD100
【DWD100】 ヒノキ製 100mm/18g 2002年
扁平ボディーにデザインされた、ややスリムなペンシルベイト。
 ダイビングペンシル的な約70度の浮き角度を持ちながら、テンポ良くアクションさせることで水面直下をドッグウォークさせることも可能。
 ウッド素材独特の水押し感と引き波を生み出し、バルサ材とは別の魅力に溢れていた。
 DWD100以降、川畑がハードウッド製のペンシルベイトの可能性を求めて様々なモデルをリリースする契機ともなった記念碑的存在でもある。

DWF100/マーレイコッド
【DWF100/マーレイコッド】 ヒノキ製 100mm/23g 2002年
浮き角度15度から20度に設定されたファットボディーのペンシルベイト。
 アクションさせやすく、ドッグウォーク、テーブルターン、ロングスケーティングなど様々に演出可能。
 川畑の好むウッド製モデルのスタンダードなアクションは、このDWF100で確立されたといえるだろう。
 この時期のラインナップはワンモデル・ワンカラー的な試みがなされ、DWF95/BASSなど多くの試作・派生モデルが存在するが、写真のマーレイコッドカラーに採用されたボディーシェイプがDWF100として高い人気を誇った。

SWF100/ライギョ
【SWF100/ライギョ】 ヒノキ製 100mm/20g 2002年
ライギョカラーに仕上げられたスケーティングペンシルで、体高を抑え気味にデザインされたボディーシェイプが特徴的。
 どちらかというと、繊細なロッドワークで水面、水面直下をテクニカルに操作するタイプで、ゆったりとしたアクションのモデルではバイトが取りにくい時のアクセントとしても威力を発揮した。
 立体的な眼の表現が一層特徴的となり、DWF100/マーレイコッド同様、ワンオフ的な設計が大きな魅力となっている。

KATANA95
【KATANA95】 ヒノキ製 95mm/16g 2002年
初年度に製作されたサイドフックペンシルをブラッシュアップし、ハードウッドで仕上げた横浮きペンシルベイト。
 左右非対称のボディーにさらにひねりを加えた複雑な形状ながらも首振りとダイブを巧みにこなすバランスには、緻密な設計と完成度の高さを感じずにはいられない。
 時折見せるイレギュラーなふらつきが、弱ったベイトを見事にイミテートしている。

KATANA95ダブルスウィッシャー
【KATANA95ダブルスウィッシャー】 ヒノキ製 95mm/18g 2002年
KATANA95にプロップを追加してダブルスウィッシャーに仕上げたバリエーションモデル。
 横浮きの下反りという不安定な形状、反時計回転のフロントペラ、時計回転のリアペラのバランスが、他のWスウィッシャーにはない引き波を生み出し、ペンシルベイトとは異なるトップウォーターの楽しさを教えてくれた。
 基本はストレート引き、もしくはロングストロークのストップアンドゴー。

JWB85
【JWB85】 ヒノキ製 85mm/9g 2002年
ペンシルベイトが主要なラインナップを形成した2002年において、ミノーとしては唯一のリリースとなったのがJWB95。
 ジャパンミノーの持つ繊細なイメージと、川畑の力強い造形をマッチさせたチャレンジ的なモデルでもあった。
 ポリカーボネイト製リップのエッジに大き目のC面をとるなどの工夫がなされ、「ヌメヌメ」としたハードウッド特有の動きの中にもキレをプラスし、高い汎用性を見せてくれた。

LWF120/ドラード
【LWF120/ドラード】 ヒノキ製 120mm/26g 2002年
DWF100/マーレイコッドと並んで、2002年製作のペンシルベイトの中でファンの間で最も人気の高い大型のスケーティングペンシル。
 素直なフォルムと26gもの重量による飛距離とダイナミックなスケーティングは、広範囲のサーチに最適。
 マーレイコッド同様、従来の日本のベイトフィッシュカラーにとらわれない発想は、その後のラインナップにも大きく影響した。


ペンシルベイトを主体とした多くのモデルが生み出された2002年は、裏を返せばGet'sにとっては「迷走」の時期だったのかもしれない。
 ただ、そのことによって様々なアクションやカラーリング等、次の可能性を示唆するものも多く生み出された。
 そして同時に、それぞれのモデルごとの製作本数の少なさが希少性に繋がり、Get'sコレクターの間でも「2002年は鬼門(笑)」と言われている。

 また、この時期に培ったハードウッドでの製作技術が、次の年代にGet'sを全国区に押し上げる原動力となった。



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